胃がんとは?

《胃がんの発生と進行》

胃がんは、胃の中に粘膜や分泌物が出る導管の細胞から発生します。はじめは約30~60ミクロンの小さなものですが、年単位の時間がかけて約5mm程度の大きさになり発見が可能となります。

胃の粘膜の中を横に広がっている間はいいのですが、粘膜下層→固有筋層→漿膜下層→漿膜へと胃壁の外に向かって徐々に浸潤(しんじゅん)と呼ばれる広がりをしてくると、他の臓器やリンパ節にも転移しやすく、また胃壁で成長したがんは近くの食道や十二指腸にまでも広がり、予後が悪くなっていきます。

また、がんの種類によっては、胃の内腔へも突出するような成長をするものと、主に水平方向に浸潤していくものがあります。

がんが胃壁を越えると他の臓器に浸潤いき肝臓、膵臓、大腸、他にもリンパの流れにより肺や鎖骨上窩リンパ節あるいは卵巣に遠隔転移することもあります。

最近の診断や治療技術の進歩により、胃がんは治りやすいがんの1つと言われています。しかしながら、胃がんの治療は、進行した状況で発見された場合は治療が難しいこともあるので、日頃から早期発見、早期治療に努めましょう。

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胃の基礎知識

通常、口から食道経て入ってきた食物または水分は胃の中でしばらくの間とどめられます。

胃の中では約pH1~2という強酸性の胃液が分泌されます。胃液と食物とが胃の中で混ぜられ、食べ物をどろどろの粥状態すると強い酸により同時に殺菌されます。そうして殺菌され粥状になった食物は少しずつ十二指腸へと送り出されます。

胃は構造上3つの部位に分けられます。上から食道からの入り口部分の「噴門部(ふんもん)」、胃の中心部分で胃酸や内因子を分泌する「体部」、十二指腸へ食物を送り出すポンプの役割をする出口部分を「幽門部(ゆうもん)」と呼ばれています。

また胃壁は大きく3層に分けられ、内側から胃液や粘液が分泌される「粘膜」、中心に位置し胃を動かす「筋肉」、そして最も外側となる「漿膜」となります。それらは更に細かく「粘膜上皮」と粘膜筋版を含む「粘膜」、「粘膜下層」、「固有筋層」、「漿膜下層」、「漿膜」の5層に分けられます。

胃がんにおいてはその胃の層により進行の度合いが分類され、「粘膜下層」までの胃がんを早期胃がん、「筋層」まで達した胃がんは進行胃がんとされます。

尚、胃の中で食物が胃の中にとどまる時間はその食物により異なりますが、十二指腸に送り出された粥状になった食物などは、十二指腸以下の小腸で効率のよい消化吸収が行われます。こうしたことにより、本来の身体のしくみとして食後およそ数時間~半日くらいは食事をしなくても問題がないようにできています。

胃がんの種類

胃がんの種類には分類によって様々ありますが、見た目的には五つに分類することができます。

それはO型、1型、2型、3型、4型、5型でそれぞれ表在型、種りゅう型、潰瘍限局型、潰瘍浸潤型、びまん浸潤型、それ以外 といった分け方があります。

さらにO型は隆起型、表面隆起型、表面平坦型、表面陥凹型にわけられます。

見た目とは違う分け方として組織型での分け方があって分化型、未分化型に分けられます。

基本的に表面に膨らんでいたり表層だけにとどまっているものは早期の胃がんで平坦から凹といわれるくぼんで 浸潤しているものは進行した胃がんといえます。

組織型は顕微鏡で見ないと判断ができない分け方で、発生する場所や性質に違いがあり分類もそれぞれさらに 細かく分類される。

ヘリコバクターピロリの影響なども違ってくる。疫学的統計では分化型胃がんはヘリコバクターピロリの影響が 原因の場合が多く胃粘膜の炎症や萎縮から発症する胃がんであるといえる。

逆に未分化型は影響を受けにくく、胃粘膜萎縮は関係が薄いといわれています。

胃がんと緑黄色野菜

たっぷりと緑黄色野菜を毎日摂取することは、がん予防のみならず様々な疾病から体を守る効果があることはよく知られてますが 胃がんに対しては緑黄色野菜はどのような効果があるでしょうか?

結果は男女ともにたっぷりと摂取した場合には、胃がんのリスクを軽減するようです。

栄養素の中でもベータカロテンが胃がんの抑制には作用があり、ベータカロテンを多く含む食品はしそ、モロヘイヤ、にんじん パセリ、バジル、ほうれん草等です。

ベータカロテンはビタミンA前駆体で体内でビタミンAに変化するのですが、ビタミンAをそのまま大量に摂取すると 体内にたまり毒性をもちますがベータカロテンの場合それがありません。

またビタミンAに変化しなくても抗酸化作用はあるのでそういう意味でも胃がんだけでなく様々なガンの抑制と老化防止 などにも貢献してくれます。

日々の食事の中に積極的に緑黄色野菜をとりいれることは胃がんの予防に貢献してくれそうです。

低分化胃がんってなに?

低分化胃がんとは簡単に言うと言葉の通り分化度が低いという意味で、つまり悪性という意味です。

逆に高分化胃がんというのもありこれは正常細胞とがん細胞とが高度に分化すなわちきっちりと別れて判別できると言う意味です。

ということは低分化とはがん細胞が正常な細胞に浸潤した状態でありしかも見た目にもくっきりと悪性の部分と良性の部分が判別しにくい状態の事を指します。

実際低分化胃がんを内視鏡で確認すると末期のがんとは思えないほど目立たないので一見悪性とは思えないほどです。

低分化胃がんとは実際には進行した末期のがんで浸潤しているのにもかかわらず見た目には判別しにくい胃がんである言えます。

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