腎臓がんの手術

腎臓がんの治療で、その進行度合いにより変わってきますが、主に行われるものは外科的な療法で腎臓を摘出する手術となります。

(1)手術療法

切除の方法により、「開放手術」、「腹腔鏡手術」、「内視鏡下小切開手術」があります。 また切除する範囲により「根治的腎摘除術(腎全摘出術)」と「腎部分切除術」に分けられます。

-切除方法による分類ー

・開放手術お腹やわき腹を大きく切って切除する →約20~30cmの長い皮膚の傷になります。

・腹腔鏡手術・・・体の中に内視鏡を入れて内視鏡の画像を助けにして切除する →約3~5本の径5~12mmの筒を通し、そこからカメラ、鉗子、ハサミなどを体内に入れて、腎臓を周りから離し太い血管を縛り切断した後、がん細胞がこぼれないようビニール袋の中に腎臓を入れ体外へ取り出す方法。

・内視鏡下小切開(ミニマム創)手術・・・内視鏡と肉眼の両方で手術部位を見ながら切除

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-切除範囲による分類ー

<腎全摘除術>

がんの位置など関係なく、がんにおかされている腎臓全体と周囲の「脂肪組織」と脂肪組織内にある「副腎」を一緒に完全に切除する方法。

術中に血管内へがん細胞をばらまいたり、周囲に取り残さないように、腎臓の血管を先にしばり、腎臓と周囲の組織ごと全部摘出します。大きな血管の周囲にあるリンパ節も一緒に摘出されます。

手術方法はがんの広がりのより異なり、T2までなら、「開放手術」「腹腔鏡手術」「内視鏡下小切開手術」のどれでも可能です。

しかしT3以上になると開放手術で行なうのが一般的とされています。 また最近では、がんの範囲と大きさによっては副腎を摘出しない方法が選択される事もあります。

◆利点◆

・片側腎臓全体をとるため、その腎臓からの再発がない。  ※ただし、 遠隔転移を完全には防げるといった意味ではありません。

・最も古くから行われている方法で方法が確率されている。

・治療成績が確実で、小さい偶然発見されたものでは、5年生存率が約90%以上と高い治療効果をあげられる。

◆欠点◆

・腎臓が1個になる将来的に腎臓の機能低下をおこす可能性がある。 →特に高血圧や糖尿病のある人、高齢の方

・残った反対側の腎臓にがんができた場合、その手術が大変となる。

・ケガや事故で残った腎臓が傷つくと、 腎不全となり 血液透析が必要になる可能性がある。

・結果的に良性の腫瘍だった場合、全部取らなくてもよい腎臓を1つまるごと失うことになる。

<腎部分切除術(腎温存手術)>

血管やがんの位置に注意し、腎臓がんの部分だけを摘出して、正常の腎臓部分またその周囲の部分は残し温存する手術です。

一般的にこの方法が選択されるのは、がんの大きさが4cm以下の場合に限られています。「開放手術」「腹腔鏡手術」「内視鏡下小切開手術」のどれでも可能です。

腎そのものを切除するわけではないのですが、がんを体内で死滅させる治療法として最近ではラジオ波やマイクロ波などを用いた「焼灼療法、また、がんを凍結して死滅させる「凍結療法」が特定の施設で行なわれています。

◆利点◆

・腎臓が2個残るので、腎機能が低下する可能性が少ない。

・手術で切除しなかった反対側が腎臓がんになっても、十分処置できる。

・たとえ良性の病変であっても、治療となる。

◆欠点◆

・手術された側の腎臓で腎臓がんが再発する可能性がある。

・最近行われ出した方法なので、10年以上の長期的な報告が少なく、正確な再発率や問題点などが不明。 →長期間にわたり検査を行い、経過観察する必要です。

・血管の多い腎の途中で切断する腎全摘除術より難しい手術である。 →全摘除術に比べて止血が難しく、術後2週間は出血や尿が漏れる可能性がある。

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