乳がんの検診・検査

病院で行われる乳がんに関する検査では様々なものがあります。

まず、乳がんはある程度の大きさに成長すると、乳房の見た目の変化によりさまざまな情報を得る事ができます。

そのため問診や視診・触診は、他のがん以上に大変重要となります。「しこり」がわかることで、その大きさを計測し、場所を推測できます。また「しこり」がなくても、乳頭からの分泌物を調べることで早期がんが見つかることもあります。

その他、画像による検査でもいくつか種類があり、主なものに「レントゲン撮影(マンモグラフィー)」があり、他にも「超音波検査」「CT検査」「MRI検査」があります。

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レントゲン撮影(マンモグラフィー)

乳がんにおける画像検査の中心であるマンモグラフィーは装置に乳房を挟んで圧迫しX線で撮影する検査です。

触診では見つからないような小さな「がん」や石灰化を見つけることも可能です。

ただし、若い人の診断は不得意で45・50歳以上の女性に対しての診断に有用性を発揮します。年1回のマンモグラフィー検査を実施している市町村もあります。


【その他の画像検査】

「しこり」が「がん」であるかどうかや、また「がん」の拡がりを診断するための検査として、乳腺の超音波検査、MRI検査、CT検査などがあります。超音波検査は人体に無害で手軽に行える利点があります。

穿刺吸引細胞診と針生検

医師の診察や画像検査で見つかったしこりなど見つかった場合、それらが「がん」であるかどうかを確認しなければなりません。

そこで行われるのが、「穿刺吸引細胞診」で「しこり」に細い注射針を刺して細胞を取って調ます。この検査で乳がんの約80・90%の確率で「がん」であるかどうかがわかります。

またさらに多くの情報を得るために「針生検」といい、太い針を刺して「しこり」の一部の組織を取って調べることもあります。 これらは細胞をとって調べることから「細胞診」と呼ばれます。

マンモトーム生検

触診で明確な「しこり」を触れることができず、画像検査だけで異常が見られる場合には、同じ「マンモトーム生検」と言われる特殊な検査が行われる事もあります。

少しの細胞で検査する「針生検」よりも多く細胞の塊(組織)を取ってきて調べるので、別名「組織診」と呼ばれることもあります。

「針生検」などの「細胞診」よりもより多くの組織を取らなければならないので、「細胞診」で使う針より太い針を使うことになります。

最近注目されているのは、超音波やマンモグラフィーなどの検査をしながら画像に誘導してもらい行う「マンモトーム生検」です。他にも「摘出生検」と言い、外科的に直接皮膚を切開して行う検査もありますが、傷が残ることから最近ではあまり行われていません。

遠隔転移についての検査

乳がんが転移しやすいとされる他の臓器として肺、肝臓、骨、リンパ節などがあります。遠隔転移があるかどうか確かめるためには、それぞれの部位によって「胸部レントゲン撮影」「肝臓のCTや超音波検査」「骨のアイソトープ検査(骨シンチグラフィ)」などが行われます。

腫瘍マーカー検査(CEAなど)

腫瘍マーカーとは、身体の中にできた「がん細胞がつくる物質」、または「がん細胞と反応して体内の正常細胞がつくる物質」で、それらを血液や組織、排泄物(尿、便)などから検査することができます。

ただし、この検査はがんに関係なく増えたりするため「がんの有無」を診断する事はできません。主にがんを取り除いた後の術後の観察や、治療効果を判断するのに行われる検査です。

<乳がんの腫瘍マーカー>

CA15-3、CEA、BCA225、NCC-ST-439、c-erbB-2...など

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乳がん検診・検査の費用

乳がんの検査費用はいわゆる健康診断的に受けると数万円かかってしまいますが、きちんと症状をうったえて 受診すれば保険の適用になるので約5000円前後です。

内容は触診・エコー・マンモブラフィー等の基本的な項目です。受診は乳腺外科もしくは外科で、そのなかでも乳腺の 専門の医師に受けるのがベストです。

乳がんの病期(ステージ)

これまの検査で「乳がん」という診断がされた場合、その乳がんが乳腺の中でどれくらい拡がっているか、他の臓器に(遠隔臓器)に転移しているかについての検査をしなければなりません。

乳房のしこりの大きさ、乳腺の領域にあるリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無、すなわち乳がんの拡がりで大きく5段階の病期(ステージ)に分類されます。そして、この病期にしたがって治療を変えて進めていきます。

【0期】

早期の乳がんで、乳がんがまだ発生した乳腺の中にとどまっています。 「非浸潤がん」と呼ばれ手術後に確定されます。

【I期】

しこりの大きさが2cm以下(およそ1円玉の大きさ以下)で、リンパ節に転移してない(乳房の外に拡がっていない、脇の下のリンパ節に転移していない)段階です。

【II期:IIa期とIIb期に分けられます。】

IIa期: しこりがないか、もしくは、しこりがあっても大きさが2cm以下で、脇の下のリンパ節への転移の疑いがある場合。 またはしこりの大きさが2~5cmで脇の下のリンパ節への転移がない場合。

IIb期: しこりの大きさが2~5cmで脇の下のリンパ節への転移の疑いがある場合。

【III期:IIIa、IIIb、IIIc期に分けられます。】

IIIa期: しこりの大きさが約2cm以下で、脇の下のリンパ節に転移し癒着していたり、周辺の組織に癒着している状態。 または脇の下のリンパ節転移がなく胸骨の内側のリンパ節(内胸リンパ節)が腫れている場合。 あるいはしこりの大きさが約5cm以上で脇の下あるいは胸骨の内側のリンパ節への転移がある場合。

IIIb期: しこりの大きさや脇の下のリンパ節への転移の有無に関わらず、しこりが胸壁にがっちりと癒着している場合。 もしくはしこりが皮膚に顔を出したり皮膚が崩れたり、皮膚がむくんでいるような状態。 炎症性乳がんはこの病期にあたります。

IIIc期: しこりの大きさにかかわらず、脇の下や胸骨の内側、または両方のリンパ節に転移のある場合。 もしくは鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある場合。 「局所進行乳がん」と呼ばれます。

【IV期】

しこりやリンパ節の状態にかかわらず、遠隔臓器に転移している場合。

※乳がんの転移しやすい臓器は骨、肺、肝臓、脳など。

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