乳がんの手術

乳がんの治療として主なものの1つに「局所療法」として「外科療法」があると述べました。 「外科療法」すなわち乳房にできたがんを切除する手術は、乳がんが乳房の中でがんがどれくらい拡がっているかによって決まります。 以下乳がんの主な手術を述べていきます。

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乳房のしこりを切除する手術

【腫瘍核出術】

乳房の「しこり」のみを切除する手術です。がんの手術としては一般的ではありませんが、術前に吸引細胞診や針生検で乳がんの診断がつかない時に多く行われれます。


【乳房部分切除術】

「乳房温存手術」と呼ばれる「しこり」を含めた乳房の一部分を切除する手術です。

がんの部位や拡がりにより、乳頭を中心にして扇形に切除、もしくはがんの周囲に約2cm程度大きく円形に切除します。「しこり」が大きい場合や乳がんが乳腺内で拡がっている場合、また乳腺内に「しこり」が2個以上ある場合は、基本的に温存手術の適応になりません。手術後に放射線療法を組み合わせ、再発を防ぎます。


【単純乳房切除術】

乳がんのできた側の乳房を全て切除し、脇の下のリンパ節の切除をしない手術です。


【胸筋温存乳房切除術】

乳房と脇の下のリンパ節を切除する手術です。場合により、部分的に胸の筋肉の切り離す事もあります。 最も一般的な乳がんの手術です。


【胸筋合併乳房切除術(ハルステッド法)】

乳がんが胸の筋肉にまで拡がっている場合に、乳房と脇の下のリンパ節だけでなく乳腺の下にある大胸筋や小胸筋を切除する手術です。

脇の下のリンパ節に対する手術

【腋窩リンパ節郭清】

「腋窩リンパ節郭清」と呼ばれる、乳がんの切除と同時に、脇の下のリンパ節を含め脇の下の脂肪組織も切除する手術です。

「腋窩リンパ節郭清」は、乳がんのリンパ節再発を予防する他、乳がん再発の可能性を予測し、乳がんの切除術を受けた後に薬物療法が必要かどうかを検討するという意味でも大変重要となります。

「腋窩リンパ節郭清」をした後は、手術をした側の腕にむくみ(リンパ浮腫)が約10~20%程度ですが出ることがあり、また肩の痛みや運動障害が起きる事があります。


【センチネルリンパ節生検】

「センチネルリンパ節」は日本語に訳すと「見張り番リンパ節」という意味です。

乳がんからこぼれ落ちた「がん細胞」はまず乳腺の領域リンパ節に到達します。たいていの場合は脇の下のリンパ節がこの「センチネルリンパ節」になります。

こういった「センチネルリンパ節」に転移が見られない時、多くの場合は脇の下のリンパ節に転移がないということがわかります。この事はがんのすぐ近くにある部位に放射線同位元素や色素を注射することにより見つける事ができます。

「センチネルリンパ節生検」については現在ではまだ研究段階の治療ですが、「腋窩リンパ節郭清」をしなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ方法として期待されています。

乳房再建術

乳がんを切除する手術の際に、切除され失われた乳房や乳頭を患者さん自身の筋肉、または人工物を使用して形成する手術です。再建術を希望する患者さんは担当の医師とよく相談しましょう。

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